先日ソニーから発売されたCinema Lineの新機種FX30。FX3と同じような見た目ですが、APS-Cセンサー搭載で価格を抑えたモデルとなります。
これまではスチール撮影メインで、動画撮影は初心者の私ですが、カラーグレーディングを行い、動画も拘ってみたいと思い、Cinema Lineのエントリー機であるFX30を購入しました。
これまでスチールはCanon機を愛用しており、動画はiPhone13 Pro、ソニーの4KハンディカムFDR-AX45を使用していましたが、本格的なソニー機は初めてです。
iPhone13 Proの4K撮影でも十分綺麗で、日常撮影やホームビデオでの用途では申し分なかったのですが、本機を使ってみて圧倒的な差を感じました。
今回はFX30に加えて、E PZ 10-20mm F4 Gのレンズも同時に購入しましたので、あわせてご紹介したいと思います。
本体デザインと付属品
まずは箱を開けて本体を見ていきますが、箱はかなり質素なデザインです。


中身も本体、バッテリー、USBケーブル、マニュアルと必要最小限。ストラップもありませんでした。(XLRハンドルユニット同梱モデルの場合はハンドルも付属します)。USB-Cでの本体充電は可能ですが、バッテリーチャージャーが付属していない点は個人的にマイナス。しかもアダプタはUSB-A端子となっており、あまりイケていません。ただこのクラスのカメラを購入されるかたは、すでにUSB-Cアダプタ、ケーブルは持っている方も多いでしょうから問題はないかと思います。
本体の大きさは冷却ファンが搭載されていることで思ったより厚みがあり、「ゴツイな」という印象です。ただその見た目の大きさに反して持った時の印象は思ったより軽いと感じました。
このメカメカしいデザインは個人的に好みです。




カードロットは2スロットあり、それぞれSD、CFexpressどちらも入ります。

ボディーにはねじ穴があるので、ケージなしでアクセサリーの取り付けが可能です。
撮影中は液晶上部のランプが光る他、上部のRECボタン、全面のカスタムボタンも赤く点灯し、撮影中であることが視覚的にわかりやすいので、「撮影できていなかった」みたいなリスクは抑えられると思います。


ランプが目障りだと感じる場合は、点灯範囲を指定することができ、「全点灯」、「前面のみ」、「全消灯」から選ぶことができます。
ボディーにねじ穴があるので、ケージなしでアクセサリーの取り付けが可能で、拡張性も確保されています。
背面液晶はもちろんバリアングルです。
E PZ 10-20mmが個人的にはオススメの組み合わせ
私はcanonユーザーなので、ソニーのレンズ資産はありません。初めて購入するレンズとして何がいいか悩んでいましたが、日常撮影として手軽さを損なうことはしたくなかったので、コンパクトなE PZ 10-20mmを選択しました。FX30はAPS-Cセンサーのため、35mm換算で1.5倍となるため、実質15-30mmとなります。
F値はF4となるので、単焦点に比べ暗くなりますが、レンズ本体のコンパクトさと178gの重量はかなり魅力的です。


FX30の重量が約646g(SD、バッテリー込)となるので、トータル824gの構成です。
私自身、VLOGはやりませんが、VLOGカムとしても最強の組み合わせではないでしょうか。

iPhone 13 Proの代替として購入したので、画質と携帯性のバランスを考えると私にはこの組み合わせがベストです。
Log撮影とカラーグレーディングのためにFX30を購入
冒頭でも書きましたが、今回FX30を購入した一番の目的はLog撮影でカラーグレーディングを行いたかったからですが、そのLog撮影の機能についても軽く紹介したいと思います。
Log撮影時にカメラ内でLUTをあてることができます。こうすることでモニター上で色味を確認しながら撮影することができますので、仕上がりをイメージしながら撮影することができます。プリセットされているs709や709(800%)に加えて、16個までLUTを追加することができます。
LUTの追加方法も簡単です。
任意のLUTファイル.cubeをダウンロードし、SDカードの下記のディレクトリに保存します。
/PRIVATE/Sony/PRO/LUT
SDカードを本体に差し込み、LUTの登録を行うだけです。
私は試しにソニーが提供している3D LUTをダウンロードして、登録しましたが、簡単に行うことができました。
動画編集はFinal Cut Proを使用していますが、ここでのLUT適用方法についてもご参考までにご紹介したいと思います。
①エフェクト表示→②「カスタムLUT」を選択し、クリップに追加→③LUTプルダウンから、「カスタムLUTを選択」をクリック→④LUTファイルを読み込み
Log撮影しない場合でも、ピクチャープロファイルが豊富にあり、PP11の「S-Cinetone」が個人的には気に入っており、綺麗な絵づくりができます。
純正シューティンググリップにも対応
純正のワイヤレスシューティンググリップGP-VPT2BTにも対応しています。
より手振れを抑えた本格的な撮影をされるかたはジンバルの使用になると思いますが、ボディ本体のアクティブ手振れ補正がかなり優秀なので、これでも十分に手振れを抑えた撮影が可能だと思います。
グリップ本体のズームボタンと撮影開始ボタンを手元で操作できるので、操作性がかなり向上します。
持ち手部分は三脚としての機能もありますので、自撮りする際も便利です。
これから本格的な動画撮影を始める方にオススメ
写りの良さと、動画に特化した操作性、拡張性の高さなどを考えると、値段はある程度張りますがオススメできる機種だと思います。暗所性能などを考えれば、上位機種のフルサイズ機FX3になると思いますが、価格も倍ぐらいしますので、私のように動画初心者で本格的に初めてみたいと思う方には候補となる機種ではないでしょうか。